毎日出てゐる青い空

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美しいものの思い出(自己満足のために書いた記事)

美しいものの思い出

 

いずれも、子供のころ住んでいた家から1km以内で起きた話。

 

ある夏の日、川に水泳に行き、水浴びにも飽きて、下流のほうへタモで魚を捕るために下っていった。水中眼鏡をして、岩の下の隙間を覗き込み、そこに逃げ込んだ魚をうまく捕獲するという趣向なのだが、めったに取れたことはない。

 

水浴びをする渕から2百メートルほどくだったところだっただろうか。川の真ん中あたりに浮かんだ岩の下の隙間を覗き込んだとき、虹色に輝く腹を持ち、長いひれをした、今まで見たことのない魚が目に入った。あまりの驚きに、うっかり顔を上げてしまい、改めて覗き込んでみたものの、もう魚は消えていた。

 

後日、学校で調べてみると、どうやらタナゴという魚らしかった。後にも先にも、この時限りの出会いだった。

 

今思えば、そのとき私はタナゴに恋心のようなものを抱いたらしい。(私も魚も雄ではあるが)。このときの経験があるから、私は、川の水がきれいであることが、他の何にも増して大切に思えるのだと思う。

 

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セルリアンブルーという色を知ったのは、中学生になったばかりのころだろうか。下校途中に家の近くの坂道を自転車を引いてあるいていると、道路の真ん中に水彩絵の具のチューブが落ちていた。拾い上げてみると、それがセルリアンブルーという色だった。12色の絵の具しかもっていなかった私には、その色の名前はとても甘い印象を与えた。

 

それ以前から青い色が好きだったかもしれないけれど、いまだに青い色が好きなのはこのときの思い出があるからなのかなと思う。

 

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同じく下校の途中で、一学年上の女の子の横顔をとても美しいと感じたできごとがあた。もう中学に上がった後だったのか、まだ小学生のときだったのかも忘れてしまったが、私も彼女も、一人で下校している途中だった。

 

そこは、道路脇が少し低くなり、道路から家に入ると、2階に玄関があるような家のある場所だった。家の脇に少しばかりの畑があり、一本のイチジクの木が植えてあった。

 

私は彼女の後を追って歩いていた記憶はないのだが、気づくと、10メートルほどさきに、彼女がいて、横顔を見せていた。

 

登校班も学年も違うのであまりよく知る相手ではなかったものの、彼女の家は、兄弟姉妹全員が美男美女として知られている家だった。けれど、そんな風に横顔を見たのは初めてのことで、あまりの美しさにほれぼれとしてしまった。

 

そんな私の様子に気づくと。彼女は慌てたようにその場所を離れて歩いて行ってしまった。

 

そして、私は先ほどまで彼女がいた場所へと歩いていき、さっき彼女が見ていたのが、よく熟れたイチジクだったことを知った。

 

寂しがり屋だった私は、子供の頃から好きな女の子が別にいたのだが、美しいと女性といえば、このときの彼女の顔を思い受かべるのが、それ以来ずっと習慣になっていたとおもう。

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