毎日出てゐる青い空

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食を楽しむ文化を育んだ水と土と森の土地・日本

1. 文明社会のほとんどは動物性たんぱく質を獣から得ています。魚介類に大きく頼る日本はそれだけですでに独特ということができます。この点は余り注目されてこなかったと思いますが、多種多様な魚を、多種多様な調理法によって食べるという習慣は、日本人の性質を繊細にし、食への関心を高めたものと思われます。その結果、日本を除く大半の地域で暮らしの中で重大な関心事となってきた性生活は、日本においては食よりも下位に置かれることになったと思われます。

 

2. 今の日本では、肉食ばかりが目立ちます。ラーメン、カレーライス、鮨、ハンバーガー、ステーキ、カツ、フライ、乳製品。これらはいずれも高カロリーな食べ物ばかりです。一方、日本人が長く食べてきたものには、カロリーは低く、ミネラルが豊富であったり、整腸作用があるといった食品がたくさんあります。

ゴボウは日本でしか食べられていないようです。フキ、ワラビ、ウドなどもカロリーは低いでしょう。コンニャクにしてもそうです。寒天やワカメ、昆布などの海藻類もそうです。レンコンやタケノコも、カロリーは低そうです。梅干しやダイコン切干し、干し椎茸などの保存食もあります。

高野豆腐にフキとシイタケを合わせて煮物にし、キンピラとみそ汁でごはんを食べると、見た目には量も少なく物足りないようでも、不思議と満足感が得られたりするものです。おそらく、しっかりと必要な栄養がとれるからでしょう。肉中心の食事では、ボリュームを増やしてお腹いっぱい食べたとしても、まだ物足りなさがあったりするのは、重要な栄養を十分に補えていないからではないかと思います。

日本食の神髄はカロリーの低い食品たちにあるのではないかと私は思います。

 

3. 日本食のもう一つの特徴は汁物だと思います。世界最古の土器と言われる縄文土器を使い、貝や小魚などから旨みを取り出しておいしい汁を飲んでいたことでしょう。そして、弥生人が稲作とともにやってきた後も、そのような食習慣が受け継がれたと思います。だから煮干し、鰹節、昆布、椎茸など出汁をとる食材は発達したのではないでしょうか。

 

今、日本では、こうした元来の日本食を食べることが本当に難しくなっています。元来の日本食のおいしさや、食べたときの満足感を知る人が増えて欲しいなと思います。

 

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