世界を良くしていこうとするあり方と
世界をそのままに保とうとするあり方
私たちが投げ込まれた社会は前者だ
よりよい明日を目指して
こんなにも進歩した
こんな問題があるから解決しよう
こんな素晴らしいビジョンがあると聞かされる。
実際にやっていることは
死ぬべき命を救い、
生命のあり方をゆがめ、
世界中をヒトだけの場所にしようとして
ヒトさえ機械にしていくことだ。
世界をそのままに保とうとしてきた人びとのあり方は違う。
植物の育つにまかせ
実のなるにまかせ
動物の繁殖するにまかせて
すべてを無償で得ている。
できることは、待つこと、
まかせることであり、
遊動する生活から来る制限が
それ以上の人為を防いでくれている。
後者の生き方、すなわち遊動する狩猟採集者たちが作る地球は、
お金のいらない社会であり、
利己主義の影響を抑えることのできる社会である。
前者の生き方、すなわち農耕・牧畜民が作る地球は、
理想とは反対にすべての物が有償で
最も利己的な者たちの都合に合わせて作られた制度に縛られる社会である。
よりよい明日を作ろうとして始まった農耕・牧畜というあり方は、
手にしていた幸せをすべて失って
何もかもを破壊する明日を作る。