先祖と同じ暮らしを続ける意味
ピダハンもサンも墓を持たない。
ピダハンは水辺に遺体を埋め、数年後には流されてしまう。
サンは穴に遺体を埋めると儀式らしい儀式もせずできるだけ早く忘れてしまう。
アマゾンの人は言う。
「森があれば生きていける。子孫には森のほかには、財産は残しません。」*
きっと、墓のない世界で、
人々は先祖と同じ暮らしを続けながら、
日々の活動を先祖に重ね合わせて生きていく。
同じ問題に悩み、
同じ知恵を働かせ、
同じ木から実を採り、
同じ獲物を狩る。
森や草原が残っていれば、
自然が食べ物を与えてくれる。
この自然を残してくれた先祖は
墓を残さずとも
大切な大切な先祖である。
放射性物質をばら撒かない先祖である。
*