毎日出てゐる青い空

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5年に1子

人とサルの違いがわかる本 ―知力から体力,感情力,社会力まで全部比較しました』に

人間とチンパンジーの違いの1つとして

出産間隔があげられていた。

 

人間は、離乳食を用意できるようになって、

断乳の強制と次の子の妊娠が可能になったため

チンパンジーと比べて出産間隔を短縮できるようになったらしい。

その結果、人間は増えすぎの危険性も抱えるようになった。

 

また、上の子はまだ乳を欲する年齢で

断乳を迫られるという非常に強いストレスを経験することになった。

 

いったん、この違いに納得したものの、その後

砂漠に生きる女たち―カラハリ狩猟採集民の日常と儀礼 (名古屋学院大学総合研究所研究叢書 24)』を読んで、砂漠のサン族は、伝統的な生活をしていたころ、

通常の出産間隔が5年だったという記述に出会った。

 

狩猟採集生活では、離乳食を用意できず、続けて生まれても十分な世話ができない

ことから、妊娠すると乳が毒に変わると信じて、性交を避けるとのことだった。

 

サン族は下の子が生まれる頃になれば、上の子は子供どおしで遊び、

食事も同じキャンプの大人たちから分けてもらい、

夜は祖母やおばのキャンプに泊まりにいくという暮らしになり、

親の手をほとんど離れてしまう。

こうなると、兄弟で親の愛を奪い合うことも少なくなるのだろう。

 

このように見てくると、チンパンジーやサンのように5年に1子のほうが

合理的の思える。増えすぎも防ぐことができるだろうし、

親は一人の子に十分愛をそそぐことができる。

上の子がやきもちをやくことも少なくなり、

兄弟はライバルよりも仲間という関係に近くなるのだろう。

 

人間の本来望ましい出産間隔は5年以上であって、

2、3年という間隔は、不自然にゆがめられた状態なのかもしれない。

 

 

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