毎日出てゐる青い空

日々雑感をつづります。ホームページでは本の紹介などもしています。

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2015-01-01から1年間の記事一覧

あきらめる幸せ

ほほえみが他のどの民族よりも多いピダハン 『ピダハン―― 「言語本能」を超える文化と世界観』を読むと その生き方は私たちの考える幸せからはほど遠い。 難産となった妊婦は助けの声を上げ続けるが誰にも 助けることはできない。 病気になった赤ん坊も もう…

人はさまざまな器官の集まりであり、社会を構成する一員であり、生態系の一部である

『病気が教えてくれる、病気の治し方―スピリチュアル対症療法』には、現代人が勘違いしやすい考え方に対して「それは違います」とはっきりと教えてくれる内容が示されている。 私たちは、単なる個体として存在しているのではなく、細胞の集まりであり、器官…

訓練発達・保護衰弱

表題は露木裕喜男氏の『自然に聴く』からの言葉です。 前後の部分を引用します。 改めて「自分」というものを確認いたしましょう。私どもは自分で注文して生まれてきたのではありません。自分が眠って、全く無意識状態の中で、食べた者が消化され、同化され…

歩くこと

つれ合いを亡くし、 悲しみに暮れる女性たちは、 歩くことで悲しみをいやす。 禁煙の苦しみが襲うとき 歩くことでしのぎやすくなる。 歩くことは健康を保つために役立ち、 頭脳を明晰にするために役立つ。 歩くことの効用を知ると、 座禅を組むことよりも 多…

塩谷信男氏の生き方

『宇宙無限力の活用』は面白い本だった。 世界大恐慌の影響で失業率が30%を超える中、 もっとも影響の大きいと思われる内科として開業したとき、 患者の来ない日々が続く。 塩谷氏は、患者のあふれる様子を想念しながら落ち着きはらって 過ごしていたという…

アイヌの死者への引導

『アイヌ―歴史と民俗』は、アイヌの伝統的な暮らしぶりや地域性のわかる良い本です。写真が豊富に収録されているため、内容をよりよく理解できます。 アイヌ―歴史と民俗(1968年) 作者: 更科源蔵 出版社/メーカー: 社会思想社 発売日: 1968 メディア: ? この…

ヒューマニズム

人のあふれる場所がある。 郊外型のショッピングモール 近代的な機器を備えたパチンコ店 マスコミが盛り上げるスポーツの試合 夜11時を過ぎた時間 駅のコンビニには若い女の子たちがいて 楽しく過ごした時間をにじませながら 今日の最後の買い物をすませる。…

一目ぼれに要注意

テレフォン人生相談を聞いていて、 繰り返されるパターンの一つに一目ぼれがある。 ロマンチックな印象のある一目ぼれだが、 人生相談の場面は、ほぼマイナスの位置づけしかない。 一目ぼれをするのは、 自分の理想にほとんどぴったりな異性と出会った ため…

不都合な定住

今回も『人類史のなかの定住革命』からです。 『人類史のなかの定住革命』は、『はだかの起原』と同様に、 生物的な特徴から人類にとって定住とは不都合な暮らし方であることを 指摘した点で、非常に重要な本です。 遊動民のキャンプ移動の持つ機能は、生活…

生き方、就職、環境、国防、介護…あらゆる問題は人類史を問う

『人類史のなかの定住革命(講談社学術文庫)』を読みました。 人類史のなかの定住革命 (講談社学術文庫) 作者: 西田正規 出版社/メーカー: 講談社 発売日: 2007/03/09 メディア: 文庫 購入: 3人 クリック: 19回 この商品を含むブログ (15件) を見る 印象的…

山を歩いて

今日は、近場の山に行き、遊歩道を2時間程歩きました。 季節もちょうどよく、ウグイスの声に囲まれながら、 気持ちよく歩くことができました。 滝や谷川のある山だったので、 湿度の高い川沿いの道を歩きながら、 山の空気を思う存分吸い込むことができまし…

これからの正義の話をしよう

二人の見知らぬネアンデルタール人が出会い、 一方が他方を追い払う。 別の時、また二人が出会い、 今度は互いに距離を開けてすれ違う。 また、別の時には、 一方が見つけた水場で 順番待ちをするかもしれない。 二人にその場その場で優劣がついたとしても …

昭和40~50年代の本が伝える「自然」な生き方

最近、三冊の本を読みました。 『自然食の効力―あと40年健康を保つ』(1968年) 『健康であるために―ゴム紐症候群について』(1977年初版) 『自然に聴く―生命を守る根元的智慧』(1982年) これらの本が書かれた背景には、工業製品の普及に伴って、人々の …

漁師とMBA

メキシコのとある田舎町。 アメリカ人旅行者と地元の漁師が会話をしている。「それ、すばらしい魚だね。どれくらいの時間、漁をしていたの?」「そんなに長い時間じゃないよ」「もっと漁をしていたら、もっとたくさん魚が獲れたんだろうね。惜しいな〜」「で…

生物多様性

遠い昔にどこかの誰かが栽培を始めた。 また別の誰かが動物を管理する方法を考えだした。 そして、人は生き方を変えた。 私たちは、それ以前と同じような暮らしをする人々のことを ほとんど知らない。 ただ、常に飢えを恐れ、 不衛生で 野蛮で 不快な暮らし…

自然を観察しながら生きることのほうが最新技術を利用することよりも複雑で楽しい

秋、地中に作られたクロスズメバチの巣を見つけて掘り出し、 幼虫を食べる地域がある。 カエルの太もも部分をエサにして、クロスズメバチを引き寄せ、 目印を付けたエサを持たせて、巣を見つけ出す。 飛び立つクロスズメバチに持たせることができる目印は ほ…

八丈小島 『黒潮の瞳とともに―八丈小島は生きていた』

『黒潮の瞳とともに―八丈小島は生きていた』という本が 私の手元にあります。現時点では、古本市場に出品されていない本です。 八丈島の西7.5kmにある八丈小島には 今から50年弱前の1969年まで村があり、 最盛期には500名余りが住んでいたそうです。 村が…

『自然に聴く:生命を守る根元的智慧』

今回から、露木裕喜夫氏の遺稿をまとめた本 『自然に聴く:生命を守る根元的智慧』から内容を紹介していきます。 本書と著者の詳細いついては、メールマガジンのバックナンバーを参照してください。 るびりん書林だより [まぐまぐ!] 今回は、第一部「自然理…

未開人が大きな数も自分の年齢も文字も知らないということ

私たちの生活は複雑であり、 数多くの書類を処理する必要があり、 知らなければならないことがたくさんある。 こんな私たちからすれば、 大きな数を知らず、文字も自分の年齢も知らない 未開生活を送る人々は いかにも遅れた知能の低い人々に思えてしまう。 …

老人と子供

ムブティの社会では、人生の最後の数年間がもっとも輝かしい時期になっている。子どもを生む時期がすぎた女性や狩猟活動から引退した男性は、ともに「タタ(祖父母)」という中性的な言葉で呼ばれるようになる。そして紛争のもとになる事柄とは無縁になり、…

人間の都合と自然の原理

テレビは人間の欲望を肯定する。 医療、福祉、食欲、購買欲、出世欲。 人間の欲望を満たすほど、 幸せになると思わせる。 実現された世界はなぜか問題に満ちている。 環境汚染だけではない。 金銭労働に追われる日々、 勉学に追われる日々、 介護に追われる…

言葉の力

言葉があるから 累積的な文化が生まれると知る。 言葉の上に社会はできあがっている。 しかし、その本質は異性やエサを巡って争う 野生動物と何一つ変わっていない。 ただ、さまざまな言葉で 見えなくしているだけであった。 狩猟採集の人々は、国家も裁判所…

はだかの起源と言葉と世界観

言葉を話すことのできる動物は人だけである。 『はだかの起源―不適者は生きのびる』によると、人のなかでも、現生人類につながる20~30万年前の祖先だけが、のどの構造の変化によって言葉を発することができるようになったようである。本書では、そのとき、…

赤ちゃん言葉で子どもに話かけない人々

久しぶりに『ピダハン―― 「言語本能」を超える文化と世界観』を開きました。 ピダハン―― 「言語本能」を超える文化と世界観 作者: ダニエル・L・エヴェレット,屋代通子 出版社/メーカー: みすず書房 発売日: 2012/03/23 メディア: 単行本 購入: 14人 クリッ…

空中楼閣

ながいときのなかで 育まれた森やけもの、虫たちを 押しのけながら人は楼閣を築く まるで宇宙の真実であるかのように 楼閣の細部を自賛する ほらごらん、この輝きを これこそ真実の輝きだよ どうだ、目もくらむような高さだろう 真実である証拠だよ しかし、…

子どもたちは森に逃げ帰ります

森の民の子どもたちは 学校に通わせようとしても いつの間にか抜け出して 森に帰ってしまう。 森の心地のよさ 森の暮らしの充実感 森の暮らしの安心感。 子らはそれを知っている。 森を出て 教室で学ぶことは ほとんど無意味であり ほとんど無価値である。 …

ベストセラーだった『森の猟人ピグミー』

コリーン・ターンブルについて、詳しく記されているページがありました。 ピグミーを愛した男 : ジャックの談話室 このかたは、実際にピグミーと暮らしたこともあるそうで、別のページ(ピグミー : ジャックの談話室)には、そのときの様子も詳しく記されて…

維新という言葉―『墓標は語る』

文映こと山本文子のホームページ4「日本を考える」 ここで、『改訂版 墓標は語る―戦争の原因糾明こそ不戦につながるのだ』を ダウンロードできます。 Amazonから購入することもできます。 改訂版 墓標は語る―戦争の原因糾明こそ不戦につながるのだ 作者: 山…

テレフォン人生相談から(3) 人にとって何よりの宝は根拠のない自己肯定感

去年、私は、1月に『ピダハン』、2月に『逝きし世の面影』と出会い、多くの疑問に対する答えを得ました。それだけでなく、これらの本をきっかけに、多くのことを知り始めました。 特に、『逝きし世の面影』で、江戸期の日本人がこどもを叱らなかったことを…

テレフォン人生相談から(2)-我慢は続かない、続けてもしわ寄せが大きい

前回記さなかったテレフォン人生相談について紹介しておこう。テレフォン人生相談は全国ラジオネットワーク加盟局を中心とする17局ネットで放送されている。 パーソナリティと回答者の二人一組で相談に乗る形になっている。パーソナリティも回答者も複数人い…

話題のダイエット方法