日本人にとっての宗教画
結婚して以来、毎年、絵画カレンダーを購入しています。
今年は、妻が、東山魁夷のカレンダーを購入してきました。
今までのところ、1月と3月は風景画が描かれていました(2月は建物)。
1月は冬の少しあわ立った海が描かれていました。
3月は針葉樹の林が向かい側にあり、こちら側には
落葉樹の枝が垂れかかって芽吹き始めた様子になっています。
どちらの絵も、太陽光の加減が絶妙に表現されていて、
見る人の心がさびしければさびしく、
落ち着いていれば落ちついて
力強ければ力強く見えてくる不思議な絵です。
毎日のようにこの絵を見ていると、
このような風景画こそが日本人にとっての
宗教画だったのだなと思えてきます。
絵画として描かれたことにより、
自然からの慈しみがしみじみ伝わってきます。
私にとっては西洋の宗教画よりも
日本画の風景画のほうがずっと宗教的な
絵画です。