雨どいを流れる水の音が聞こえる、強い雨が好きだ。
外に出てみると、公園や駐車場のむき出しの地面に水の流れができ。
清流のように澄んだ水が流れていく。
人の手で植えられた外国産の街路樹や、
除草剤好きの隣人のせいで草もまばらな塀に囲まれた地面を、
臨時的な自然となって小川が流れる。
あらゆるものが型にはめられていく世界に降る雨が、
本来の姿を少しだけ思いださせてくれる。
この土地は、強い雨の降る国である。
庇(ひさし)を深く伸ばし、
雨戸をつける国である。
肌を濡らす雨が、
命の感覚を思いださせてくれる国である。