人はさまざまな器官の集まりであり、社会を構成する一員であり、生態系の一部である
『病気が教えてくれる、病気の治し方―スピリチュアル対症療法』には、現代人が勘違いしやすい考え方に対して「それは違います」とはっきりと教えてくれる内容が示されている。
私たちは、単なる個体として存在しているのではなく、細胞の集まりであり、器官の集まりであり、集団の一員であり、生態系の一部であるという事実である。
つまり、私たちは、個体であると同時に細胞の集まりであり、器官の集まりであり、集団の一員であり、生態系の一部であることを意識しなくてはいけないのである。
体細胞がかつての自由を取り戻したいと勝手に繁殖を始めればがんになり、けっして自由を取り戻すことなく細胞は個体とともに死滅する。同じように、人が自由だけを求めていけば、この人を生かしている環境を破壊し、その人も死ぬことになる。
このような摂理を理解するには、私たちは個体として生きるだけでなく、私たちの体に耳を傾ける必要と、私たちを生かしている世界を感じ、人類の繁殖や存続について思いをめぐらせる必要があるのである。
・身体を使って感覚を磨くこと
・休息しながら体を感じる
・動物や植物に囲まれて暮らすこと
・生物としてのあり方を重視すること
・観察から学ぶこと
こういった活動が私たちにとって必要であり、コリン・ターンブルが『豚と精霊―ライフ・サイクルの人類学』で指摘するように、小規模な社会、つまりピグミー族のような狩猟採集の暮らしのほうがずっと本質的であったということができるのである。