毎日出てゐる青い空

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テレフォン人生相談から(3) 人にとって何よりの宝は根拠のない自己肯定感

去年、私は、1月に『ピダハン』、2月に『逝きし世の面影』と出会い、多くの疑問に対する答えを得ました。それだけでなく、これらの本をきっかけに、多くのことを知り始めました。

 

特に、『逝きし世の面影』で、江戸期の日本人がこどもを叱らなかったことを知り、チンパンジー、ピダハンなどと共通していると知ったことが重要でした。温かい身体接触やこどもと接する時間の長いことも共通しているようです。

愛は化学物質だった!?』でも同じ内容が繰り返されていました。叱らない子育てと温かい身体接触はこどもの自己肯定感を育てるために重要であると思われます。

 

人生相談を聞いていると、この根拠のない自己肯定感、つまり、何も特別な価値がなくとも自己が肯定される感覚を持てなかったことが原因となっているケースが何度も登場します。

 

人を愛することのできない親に育てられてしまったために自信を持てないまま大人になり苦しんでいる人や、周囲に敵対心を持ってしまうために人間関係でつまずいてしまっている人がいます。あるいは、親が子の自立を望みながら、この自己肯定感のなさが原因で子はまだ自立できる状態になっていないと指摘されたケースもありました。

 

根拠のない自己肯定感がないと、人は良い成績を取ることや、大企業に入ることなど、高く評価される自分になることで自分を肯定しようとしますが、どこまで行っても肯定感を得られないままになってしまいます。そのうえ、無理を続けることによって、精神を病んだり、子育てに失敗することにもつながります。

 

根拠のない自己肯定感を持つことは、失敗によって否定されたとしてもとことんまで否定されることはなく、何度でも挑戦したり、別の方法を工夫をする方向へと人を向かわせやすくなります。特定の対人関係に固執せず、あきらめることのできる人格を作ります。根拠のない自己肯定感は、多くの場面で健全な行動をもたらします。

 

『逝きし世の面影』で見る江戸時代の子育ての様子や、こどもに教えるわけでもなく、ただこどものやることを受け入れているチンパンジーの子育ては、このような自己肯定感を育むために適していると思われます。一方、『愛は化学物質だった!?』では、不幸にしてこの自己肯定感を持つことができないまま大人になったとき、自分の努力によってこの自己肯定感を育むことができるということも示されていると私は解釈しています。

 

私は親がこどもに与えることのできる一番の宝は、この自己肯定感なのではないかと思います。多くの人が、自分を大切にできていないことさえ気付かず、自分を受け入れていないことも気付かないで、悩みの深い人生を生きています。

 

何もない自分を肯定し、自分を尊重し、自分を受け入れることから、人生が動き始めます。私にとっても他人事ではありません。

 

 

 

 

 

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