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倭人 日本人の起源について

DNAから導きだされる日本人の起源というPDFが公開されています。ミトコンドリアDNA、Y染色体DNA、ATLウイルスの分布などさまざまな研究の結果を統合的に説明できる、日本人の起源を推測した力作です。私は、人類のこれからについて考える上で、これまでの人類の動きを知ることが重要と考える立場から、日本人の起源について調べてきましたが、この資料はよくまとめられていて非常に参考になります。

 

ところで、日本語がいつどこで誕生したのかや、「倭人」とはだれであるのかについて、この資料には示されていません。

 

私は、まだ十分に検討できていないものの、日本語は中国大陸の浙江省から山東省、江蘇省安徽省湖北省あたりの揚子江下流域で誕生したもので、「倭人」とは、その頃中国大陸に住んでいた人々を指すのではないかと考えるようになりました。

 

実際、このあたりから出土した弥生時代の人骨は、日本の弥生人骨と共通するDNAを持っていました。徐福伝説も、すでに移動が始まっていた倭人の生き残りが、ついに中国大陸を捨てて日本列島に移住したことを示しているのではないかと考えています。

 

日本語と同じ特徴(母音調和/膠着語/SOV型の語順/語頭のRを嫌う)を持つアルタイ諸語は、かつては広く分布していたものが、次第に減ってきているようです。中国大陸で生まれた日本語を話す倭人は、その話者を中国に残すことなく日本列島に逃れてきたとすればどうでしょうか。

 

『ゾミア』という本があります。この本は平地の農耕民の作る巨大権力から逃れて、山地で焼畑農耕を続け、部族の中で国家権力が生まれないようにする戦略を持つ共通性のある、インドシナ半島奥地に生きる人々を描いた本です。上のような歴史を仮定してみると、日本という国も、中国での争いに破れて逃れた人々が作った国であると見ることができます。

 

こうした仮定を立ててみると、2つのことが見えてきます。

1. 日本人を朝鮮半島と結びつけようとする歴史観が続いてきたが、実際に日本人と縁の深い地域は、上海、南京など、支那事変(日中戦争)の舞台となった地域なのではないか。

2. かつて争いに破れて住処を追われた倭人は、今、また有力な異民族の勢力に追われて住処をなくそうとしているのではないか。

 

日本人は、縄文人弥生人の子孫であると思い込まされていますが、実際は、縄文人と、中国大陸に住んでいた倭人である弥生人、そして、その後、朝鮮半島を経由して渡来してきた渡来人の3タイプの人々の子孫であると考えたほうがよいように思います。

 

現代の日本では、最後に来た(日本語を母語としていなかった)渡来人たちの力が大きく、そのため朝鮮半島との関係が強調されているように思えます。

 

遺伝子の分布からいうと、大半は縄文人または弥生人の子孫で、一部が主に奈良時代以降の渡来人の子孫ですが、日本国の歴史の中では渡来人の子孫たちが中枢に入り、幕末期になって国際金融資本の支援する薩長や朝鮮系の人々も中枢に入り始めているという形になりそうです。

 

 

 

 

 

 

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