毎日出てゐる青い空

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魚を捕りに

八郎潟干拓:食糧不足を解消するためにと、琵琶湖の次に大きかった八郎潟を埋め立ててしまって大潟村ができた。2014年に開村50周年を迎えたというから村ができたのは1964年。入植がはじまったのは1967年であったが、1970年には本格的な生産調整が開始されるというチグハグさを見せている。大潟村の収入は秋田県の他の市町村の倍だというが、調べてみると、飼料米の生産に対して国から支給される補助金頼みになっていることがわかる。

 

長良川河口堰反対の世論が盛り上がる中で建設が強行され、本格運用から2015年で20年がたった。治水と利水を目的としていたが、 水位が潮位に支配される河口部での堰による治水は有効でないことははじめからわかっていたと指摘されており、着工時すでに水需要は漸減の傾向にあり、新たな水資源を開発する必要もなかった。

 

諫早湾干拓:こちらも、農地の拡大を目指した点で八郎潟と共通する。構想が建てられて時点での食糧増産という目的が、産業構造や生活様式の変化の中で、有効性を失っているにも関わらず工事はすすめられた。

 

普天間基地辺野古移設:そもそも普天間基地の代替施設はいらないという議論が沖縄からだけではなく、米側からもある。

先日、都内で退役米軍将校と会食をした。在日米軍に長く勤務した元将校は、「米軍の見解ではない」と前置きしたうえで言った。


 「正直に申し上げれば、普天間飛行場は必要ないです。辺野古への移設という問題ではなく、極東アジアの戦略上、沖縄に米海兵隊はいらないのです」

 決して新しい論点ではない。しかし退役したとはいえ、米軍の元将校が海兵隊不要論を述べた点が興味深い。(米国も実は不要と思っている普天間基地 なぜ中南米諸国は米軍のプレゼンスを拒否し続けられるのか(1/4) | JBpress(日本ビジネスプレス))

 

植林事業:「日本の国土面積の3分の2は森林(2508万ヘクタール)であり、その4割(1029万ヘクタール)は戦後すぐに農林水産省が植林事業として推進した「スギ」や「ヒノキ」などの人工林で占められている」(https://toyokeizai.net/articles/-/201820

一方、林野庁http://www.rinya.maff.go.jp/j/kikaku/hakusyo/26hakusyo_h/summary/s02.html)によると、国産材の製材用材供給量は昭和42年にピークを迎えています。

 

 

私たちの暮らしを取り囲んでいた自然。フナやツクシやワラビは、食卓に彩りを添えてくれたはずだ。私の実家は、山村にある割には、野草やキノコ、川魚などの利用頻度が低く、数種類のキノコを食べるくらいだったが、キノコの出る秋になって、山にキノコとりにいくのは祖母や父の楽しみになっていた。ウナギを捕るためにワナを仕掛けてみたり、アケビやヤマイモを見つけて収穫したりもした。

 

 

こうした無意味に自然を破壊するだけの事業には、実は、そのような自然を奪うことが最大の目的になっているのではないだろうか。

 

 

動物たちや未開人の生き方を知っていくと、私たちが大切だと思い込まされている進歩や、社会的な成功などというものは、本当の進歩でも、あるべき人生でもないことが見えてきます。自然に囲まれた中で、厳しくも愉しい日々を過ごして、突然訪れることの多い死に抗わない。そんな生き方の愉しさに気づくのは、やはり、自然の中で遊んで、キノコやクリやウナギを食べた経験があってのものだろう。

 

 

カネがなければ何もできない世界を作りあげて、自然に囲まれた生活を嫌悪させるような情報を流し、自然の愉しさを経験できない環境を作る。それこそが、こうした公共事業失敗の背景にある本来の目的なのではないだろうか。

 

 

 

 

 

 

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