クマから逃げてはいけない理由
一般人の撮影したアフリカの動物たちの動画がアップロードされるようになって、肉食獣たちの素顔を知ることができるようになりました。
そのような動画を見て行くと、肉食動物たちは、自分の身の安全をできるだけ保ちながら狩りをし、草食動物たちも比較的安全に助けるチャンスがあれば仲間を助けに行くのだということがよくわかります。
肉食動物たちが、獲物の正面から攻撃することはほとんどありません。正面から攻撃していけば、かまれたり角に突かれたりする恐れがあります。体の小さいヒヒが牙をむき出して向かってくれば、ライオンでさえ後退していきます。
肉食獣にとって傷を負うことは、エサをとれなくなることを意味し、すなわち死を意味しますから当然と言えば当然です。
このため、肉食獣たちは、草食獣の背中に飛び乗るか、臀部に噛みつこうとします。シマウマやキリンであれば、ライオンを蹴ることもあります。しかし、多くの場合、背中から尻、大腿部あたりに噛みつかれてしまったた草食獣になすすべはありません。
インドでは、お面を後頭部につけて頭の前後に顔があるように見せるとトラに襲われないと聞いたことがあります。上のように考えれば納得のいくことです。
これを知ると、クマと出会ってしまったとき背中を向けて逃げることがどれほど危険なことなのかがわかります。クマも負傷を恐れますから、背中を見せないで後退してその場を離れるか、もし襲いかかってきたら、体を大きく見せて威嚇してみることが一番有効であると考えられます。仮に襲いかかられても必死で抵抗すれば、過度の負傷を恐れる肉食獣は退散してくれるはずです。
覚えておくと命拾い出来るかも知れません。