私が影響を受け続けている20冊の本
本の選び方を変えた2年半前から、昨日までに読み終えた本の中から、
何度も思い出す、強い影響を受けている本たちをご紹介します。
医療行為そのものが人間にとってとても恐ろしいことがらだったのではないかという問うことや、言語と人格の関係から言語そのものの欺瞞性を問うことができる本。難解。発達障害などのレッテルを貼ることが権力の都合によって行われ、当人の救済にはつながっていないという事実も暴かれている。
2. 『インディアンは手で話す』
後半部のエッセイ部分が秀逸。手話の世界を知ることで、抽象概念によってかえって真実から遠ざかる一方であることが見えてくる。空間に地図を描くように語られる手話は、発話や文字による伝達の不完全さも暴きだす。
3. 『人間が好き―アマゾン先住民からの伝言』
人はどのような生き方をすべきなのかを探るたびに思い出される本。別の本を通じて新しい知識を得るたびに、この本に描かれた価値観について理解が深まっていくと感じている。写真集。
4. 『人類史のなかの定住革命』
人は定住してはいけなかったのだと私が確信した本。少なくとも生物学的にはヒトの定住は極めて不自然であるということと、定住しないことに多くのメリットがあることを知れば、世界観は変ると思う。
5. 『脳の神話が崩れるとき』
瞑想やフィードバックによって脳を鍛えることで実際にニューロンに変化が生じることや、治ると信じることで痛みの軽減や腫瘍の消滅などの効果があることなど、ヨガやまじないなどの伝統的な手法が実際に有効であることを確認できる。アルコール中毒の治療にも有効。
貧困による肥満、ダイエットによる隠れ肥満、ジョギングの危険性、砂糖の危険性などをまとめて確認できる本。本書に記載された参考文献にも有用な本が多い。
7. 『子どもの文化人類学 (1979年)』
特にヘアーインディアンに関する記述は現代人として絶対に読むべき。バングラディシュの話は魔女の宅急便を思わせる。
8. 『偽情報退散! マスコミとお金は人の幸せをこうして食べている』
太平洋の両岸(日米)で主婦を対象とする雑誌(LIFEと主婦の友)が互いに敵の恐怖をあおって戦争の機運を盛り上げたことなど、現代社会に生きる上で欠かせない知識を得るための出発点。不特定多数に対して間接情報を何度も発信できるということそのものが人類にとって大きな問題であるという事実に気づくきっかけにもなりました。
9. 『略奪者のロジック』
人は利他心を持つかもしれないが、巨大になった社会を動かすのは略奪者たちであるという思考のベースラインを作ってくれる本。
10. 『逝きし世の面影』
司馬遼太郎がもてはやす明治維新によって失われたのはどのような世界であったのかを伝えてくれるよきロングセラー。難解。特に裸体に対する羞恥心を持たされる前の様子を知れば、現在の異常性がよくわかり、裸体を恥ずべきものとする宗教の欺瞞がわかる。
11. 『ユダヤに伝わる健康長寿のすごい知恵』
ユダヤ人たちによって作られた世界でユダヤ人たちが取り入れている休日や瞑想の有効性を知らずに、働き続け、つまらぬ娯楽に時間を費やす私たちについて考えさせてくれる本。
12. 『はだかの起源―不適者は生きのびる』
はだかになったことと言語能力を手に入れたことを否定的にとらえてみことのできる本。人類の知能や生物としての最高到達点は、言語能力を持たなかったネアンデルタール人たちであったかもしれないという着想を得ることができた。
13.『金融の仕組みは全部ロスチャイルドが作った』
株に投資する前に読みたい、反戦運動に走る前に読みたい、銀行・証券会社に就職する前に読みたい、ローンを組み前に読みたい本。胴元をもうけさせないためには、バクチに参加しないことである。
14.『森の猟人ピグミー』
文明社会と接触しながら、人間本来の生き方を続けてきた人々の生き方を知ることのできる本。『ピダハン 「言語本能」を超える文化と世界観』で知った、幸せな生き方は、強制力を持つリーダーのいない社会に共通していることを知っていくうえで役にたった。相手にほれ込み、相手こそがまともな生き方をしていると入れ込んだ書き手によって書かれた点で、他の本たちとは一線を画している。中高生には、『森に生きる人 アフリカ熱帯雨林とピグミー』もお勧め。
15.『山暮らし始末記』
脱消費社会を図った男女による活動からは、「要するに人は<食う>ために生きているのである。」「自給自足はできても人間関係は自給できない」「生の営みがあるところには、必ず死も遍在しているのである。」など、人間の生き方に関する学びが多い。
16.『動物たちの自然健康法―野生の知恵に学ぶ』
動物たちの健康法を学ぶことは、私たちが考えているほどヒトと他の動物たちに距離はないことを明らかにするとともに、私たちがどのように生きればよいのかも教えてくれる。
17.『イシュマエル―ヒトに、まだ希望はあるか』
1994年の発行当時、翻訳者の小島さんに「私の個人的な費用でこの本を百人の友だちにプレゼントしたい」と言わせた、この本に込められたメッセージを受け取りたい。
18.『本多勝一のこんなものを食べてきた! 小学生の頃(コミック)』
野原が食堂だった頃の美味しそうな草花など。この本を読むことで、野山の植物を食べることが身近に感じられる。
19.『死―宮崎学写真集』
私たちは死ぬことで新しい命に場所を与えているという、自然界の輪廻転生とも言える真理を知る。『サバンナの動物親子に学ぶ』、『アルピニズムと死』、『人間が好き』、『山暮らし始末記』。人工環境に囲まれて見えにくくなっている生と死の姿について考えるきっかけをくれる。写真集。
20.『ハイエナの生態』
動物たちは考えながら行動しているということや、テレパシーのように見える意志疎通方法を持っていることなどを知ることのできる良書。『森の奥の巨神たち ロボットカメラがとらえたアジアゾウの生態』『となりのツキノワグマ』など、良い本を読むと、動物とヒトの違いの小ささに驚く。