毎日出てゐる青い空

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文明と自然

「自然」を題名に含む本を割と多く読みました。まとめて紹介させていただきます。

  

1. 自然農法 わら一本の革命

これは有名な本なので読まれた方も多いかと思います。ただ、福岡さん自身、農耕に疑問を持たれていたのではないかと私は見ています。この場合の「自然」は、自然界から学び、自然界に近い状態を作ることを意味していると思われます。

 

2. 自然に聴く―生命を守る根元的智慧

書評を書く予定でしたがまだ書けていない本です。この本も『わら一本の革命』と同じく、化学肥料を大量に使い、土を殺す農業に疑問を感じた結果生まれた本です。共感できる部分が実のところあまりないのですが自然界に従う以外にないという思想に私は強く共感しました。

 

3. あと40年健康を保つ 自然食の効力

私がこのような本を読む目的は、人の本来の食べ物を知ることに重点があります。この本は、小魚やエビなどを丸ごと食べること、野菜なども生で食べることの大切さなどを教えてくれました。肉や魚を食べることが悪いのではなく、家畜や養殖された魚介類、栽培された果物・野菜が健康に悪いのではないかという考えを私が持つに至った出発点になった本かもしれません。

 

4. 虫はごちそう(自然といきる)

これはしばらく手元に置いてあって、もっと早く読めばよかったと感じた本でした。この本が、「自然」という言葉から私たちが思い描く、野山の広がる世界というイメージに一番近い本であると思います。 自然の中で生きることの楽しさが伝わってきます。

 

5. 動物たちの自然健康法

この本を読むと、動物と私たちとの近さを感じることになります。動物も健康法を持っていることを知ると、動物たちと人間とを隔てる垣根が低くなり、連続性が感じられてきます。一度は読んでおきたい本の一冊です。

 

6. 家庭でできる自然療法: 

一般の書店にないので、この本を知っている人は少ないでしょう。私が、風邪薬を飲む必要がないと知ったのは、この本に記載されている熱さましの方法で妻が熱を冷ましてくれたことがきっかけでした。それまで、病気といえばすぐに薬局の薬に頼っていたのが、今では、妻よりも私のほうが自然療法に傾いています。肉体の力によって対処できない病気には負けるほうがよい。そのような考えも生まれてきました。

 

7. 本物の自然療法

動物たちの自然健康法』で動物たちも薬草を使うことを知ったり、『あと40年健康を保つ 自然食の効力』で病気のときは断食して休むのがよいと知った上で読むと、この本の内容は、それらと矛盾する内容であったりします。それにも関わらず、『自然に聴く―生命を守る根元的智慧』と同様に、自然界に従う以外にないという思想が根底にある点で大いに評価したい本です。特に、私たちは、他の生命と切り離された命として存在することはできないと明確に指摘してあるところに、現代を生きるすべての人類に対するメッセージを私は読み取ります。

 

8. 覚醒する心体―こころの自然/からだの自然

この本全体に込められたメッセージは、私の考えるところとは大きく異なっています。また、内容も難しく十分に読み取ることができていない本です。それにも関わらず、ここに上げた本の中で最も重要性を持つ本であると私は受け止めています。

 

<私>という存在のもっとも本質の部分に横たわっているもの(本質そのもの)は「<私>のコントロールできないもの」である」という重要な事実を教えてくれた本であるからです。

 

私たちは、私たちの意志によって、世界を作り変えていくことができると考えがちですが、人の本来の生き方を探る読書を通じて見えてくることは、「私たちには、地上で生まれ地上で死ぬ生物としての生き方以外に生き方はない」という事実です。

 

肉体から離れることもできなければ、寄生虫やウイルスを全滅させることも、精神だけの存在になることもできません。本書では、こうして、自然として存在する人生を「わたしの人生」として受け入れる主体が生まれるといっています。そこに、言葉によって当事者性を奪われた私たちが当事者性を取り戻すチャンスがあり、生物として束縛された生を受け入れていく、人類が地球環境を破壊しない唯一の道があると私は受け止めています。

 

「自然」という言葉を私たちが思い描くとき、それは母なる自然であり、優しく温かい自然であることが多いような気がします。他方で、自然に聴く―生命を守る根元的智慧』、本物の自然療法』、『覚醒する心体―こころの自然/からだの自然』で指摘されているような、私たちの生を束縛するものとしての自然はほとんど意識されでいないでしょう。

 

しかし、「自然」の持つ真の重要性は、これらの本で指摘されている、私たちの生を束縛し、私たちのコントロールできないものとしての自然であり、動物たちのように、それに身を委ねることで私たちはようやく大きな安心感を得られ、自然界に包まれたまま生きることができるのではないかと思います。

 

文明は、この私たちの体の中心にある自然を不都合なものとしてとらえ、法を作って自然を罰し、技術力で自然を縛りつけます。

 

そうして文明人は精神を病み、正義を振りかざしたり、理性を叫んだりしながら、体の中の自然をむしばんでいっているのです。

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