「言葉」という欠陥ばかりの道具を象徴するのがマスコミだ
実際に自分が接している世界を、
それぞれに必要な範囲で
それぞれのやりかたで理解していくのが
言葉のない世界である。
自分が接したことのない世界の話を
誰かが考えた切り分け方の一つでしかない言葉を使って
こう理解しなさいと指示しながら共有していくのが
言葉のある世界である。
言葉のある世界では
言葉によって伝えられている情報と
現実に起きていることの間に
大きな乖離が発生することになる。
だから、放射性物質は安全で
欧米各国は平和主義で、
キリスト教は愛の宗教となる。
こうした乖離を生み、持続させるために
どうしても必要になるのがマスコミだ。
虚像を作り繰り返し伝えることで現実を見えなくする。
言葉のない世界であれば当然であった白紙から考える行為を奪う。
私たちの生きる世界がますます窮屈でギスギスしたものになっているとすれば、
その理由の大半はここにある。
私たちはマスコミが伝えるような世界に生きているのでもなければ、
マスコミが伝えるような価値観を実現することで幸福になれる存在でもない。
そのことを知るには、マスコミから離れるしかないのだ。