毎日出てゐる青い空

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農民の反対を尊重した横暴な殿様と、住民の反対を弾圧する民主的な政府

逝きし世の面影』に、 病院建設のための農地を収用しようとしたが、農地を耕作していた農民が頑強に抵抗し、為政者側はこれを尊重して病院が建設されないままになっていた事例が出てきます。

 

平等と不平等をめぐる人類学的研究』には、その頃の日本では、土地の総有という概念があり、所有者の意志のみによって土地の使い方を決めることはできず、地域住民の同意が必要であったという事実が記されています。

 

こうした事実を踏まえて現在の法律の仕組みや実際に住民の反対を弾圧しながら強行されていく原発建設、基地建設、河口堰建設などの事例を見て見ると、江戸時代のほうが民主的で、法治国家こそが弾圧的であるという実態が見えてきます。

 

その理由を知る上で役立つのが、『世界システム論講義』や、『金融のしくみは全部ロスチャイルドが作った』、『偽情報退散! マスコミとお金は人の幸せをこうして食べている』であると私は考えています。

 

マスメディア、教育、宗教が管理され、理屈をこねることで事実とは大きく違う人間像や、生物像、世界観が植え付けられていきます。たとえば、人は理性的な存在であるというウソがまき散らされていきます。こうして、あたかも人類は次第に進歩し、理想に近付いているかの様に思いこませながら、実際には一握りの人々にとってだけ都合のよい社会が作りあげられているのです。

 

江戸時代に農民一揆が弾圧されたという事実があったとしても、江戸時代の農民として生きることが、今の世界に生れて競争にさらされながら生きることと比べて、一方的に不幸ではなかったはずです。権力者の価値観が反映されて庶民にゆとりがあり、世界でも珍しい町民文化が育った江戸時代の日本は、生物として生まれ生物として死んでいく宿命を持ち、つらく悲しいものになりがちな生を、できるだけそのまま受け入れながら、しかも少しでも生きやすくしようしていました。それは、西洋文明が一度も達成できなかった、生物としての在り方に即した生き方を高度に達成した世界でした。

 

 

ともあれ、事実関係を確認していけば、私たちが生きる現代社会は、人々の自治や主体性よりも、巨大な経済や権力が優先され、それに即した生き方だけが許容される、一部のものの利益に合わせて設計された社会でしかないことが見えてくるのです。

 

少なくとも、現代社会が民主的な市民社会であるという嘘を信じることだけはやめたいものです。

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