毎日出てゐる青い空

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ヒトの生きる道

動物とヒトは違うか。

 

動物とヒトは一切違わない。

 

 

裸になり、言葉を話し、手を使い、家を建て、都市を作ったヒト。

 

ヒトの歴史を振り返ってみよう。

サルの仲間がイモを主食とすることで別の種への道を歩き始めた。

イモを掘るために道具を使うことで親指が他の指と対向して器用な手になった。

道具やイモを運ぶことで直立歩行が多くなった。

道具は猛獣たちとの戦いにも役に立つようになった。

ヒトは肉食獣の獲物を奪って食べるようになり、

自分自身でも猟をするようになった。

肉食は大脳の発達を促進していった。

 

こうして野生動物としての道を歩んできたヒトに

ある日、体毛が失われるという緊急事態が発生した。

 

体毛を失ったヒトは数を減らし始め、

7万年前には2000人程にまで減ってしまった。

 

ここで滅びれば問題なかったのだが、ヒトには言葉があった。

ヒトを裸にした変異は、言葉を話すことのできる喉も与えたのだ。

 

言葉は技術を発達させ、

ヒトは裸でも生きることのできる

存在になった。

 

 

 

 

話を転じて、生命の本質を考えてみよう。

自然界は次のような事実を教えてくれる。

つまり、

犠牲と利益を計りにかけながら、

少しでも多くの子孫を残そうとして

続いてきたのが生命なのだ。

 

生き残る可能性を求めて

ぎりぎりまで生殖活動を続ける。

まだ一人前になっていない子を追いだしてでも

次の子を生むほうが有利であればこの戦術を採用する。

ツバメたちはひと夏の間に一度の繁殖に満足せず、

少ない可能性にかけてでも複数回繁殖しようとする。

 

獲物が多ければ肉食に向うものが登場し、

肉食獣がいない環境では、あっという間に能力をおとろえさせて

消費エネルギーを減らして、生存の確率を上げようとする。

 

生命とは、どこまでも子孫繁栄を目指す存在なのだ。

しかし、肉体的な制限があるおかげで

生物たちは多様性に富んだ環境を作り出してきたのだ。

生物たちはヒトと同じ心を持ちながら、

安全に敵を倒すことなどできず、

安全に獲物を得ることもできず、

便利な移動手段も持たない。

 

 

ヒトの進むべき道

生命がこうして続いてきたとわかった上で、

ヒトの得た能力が何を意味するのか考えてみよう。

 

答えは明白だ。

 

危機を乗り越えたヒトは、

思い通りにならない世界を受け入れていくしかないという

生物の大前提を破る存在になってしまったのだ。

 

大地を耕し、

動物を飼い、

町を作り、

カネを考え出し、

肉体を駆使することなく膨大なエネルギーを消費する。

 

 

個体数は激増し、

他の生物種たちを絶滅させ、

森林を破壊し、

大気や水を汚し、

奴隷を生んだ。

 

それだけではない。

世界はヒトの思い通りになると勘違いして、

動物愛護・

人権擁護・

神・

高次の意識など

非現実的な観念を発達させてしまった。

 

しかし、事実は揺るがない。

ヒトが世界を思い通りにしようとする限り、

ヒトを生みだした生命の本質は、

世界を破壊させていくだけであって、

世界を救いなどしないのだ。

 

 

ならばどうすればよいのか。

「どうにもならないこと」を受け入れていくしかないのだ。

そのようなあり方が、

むしろ快適でさえあることを

狩猟採取者たちは教えてくれているのだ。

 

 

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