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毎日出てゐる青い空

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『平和ってなんだろう―「軍隊をすてた国」コスタリカから考える (岩波ジュニア新書)』を読んで

さまざまな動機から戦争に導きたい人々によって強い影響を受けている日本。

参考になりそうな内容が書かれていることを期待して、岩波書店

『平和ってなんだろう―「軍隊をすてた国」コスタリカから考える (岩波ジュニア新書)』を読んでみた。

 

 

 

積極的非武装中立宣言

コスタリカの特徴は、積極的永世非武装中立宣言であるという。

これはコスタリカの隣国ニカラグア共産主義革命を嫌った米国が対抗勢力を支援してニカラグアで内戦に発展し、コスタリカにまで影響が及ぶ中で当時の大統領であったルイス・アルベルト・モンヘがとった作戦である。1949年以来の非武装中立を守るには、コスタリカを戦場にしない必要があり、「積極的」と付けて高い理想を打ち出すことで建前上ではあっても諸外国の賛同を得たのである。その結果、米からの介入とニカラグアからの越境を防いだであった。

 

 

経緯・特徴

コスタリカでは軍備の廃止と社会福祉・労働政策が、民主主義と人権という思想をベースとして、切り離せないものと考えられている。一九四八年の内戦終結時に和平文書に「労働者階級の社会的経済的権利は保障され拡充される」と記されている、

・一九八六年の大統領選挙劣勢が伝えられていた再軍備に反対するオスカル・アリアス・サンチェスが勝利

・サンチェス大統領が任命した中米特命大使カレン・オルセン・デ・フィゲーレス(軍隊廃止を宣言したフィゲーレスの妻)がニカラグアグアテマラエルサルバドルの三カ国の内戦終結の仲介に乗り出し、一九八七年に中米和平交渉が妥結。アリアスがノーベル平和賞を受賞。

コスタリカでは医療は基本的に無償であり、窓口負担がない代わりに、労働者と雇用主が保険料と税金を支払っている。

・刑務所では職業訓練が行われ、作業場で作ったものを適正価格で販売して家族に仕送りすることもできる。

 

現状

・人種構成の94%が白人(実際は、メスティーソムラート)、インディヘナは1%

・宗教はカトリックが85%プロテスタントが14%

ジニ係数は0.499であり、決して低くなく、黒人・先住民・黄色人種への偏見も強い

・犯罪率は高い

・一人当たりGDPは10528ドルであり世界平均とほぼ同じ水準

・工業化が進み、主な輸出品にコンピュータ部品がある(インテルの進出が大きい)

・人口は 1960年代に100万人を越え、2003年3月時点で415万人と急増

・90年代以降麻薬の一大消費地

 

私の見解

カトリックノーベル賞、職業訓練、高福祉、民主主義、人権というキーワードを聞いて私が思い浮かべるのは、世界に強い影響を与えているほんの一握りとみられる人々の存在である。

 

アメリカ合衆国自体も共産革命もフランス革命も彼らによる実験にすぎず、より効率的に大衆を支配する方法を探る活動であると見る視点からすれば、コスタリカの恒久的非武装中立もまた、同様の実験の一つであるにすぎないということができる。

 

彼らの顔の一つは武器商人ではあるが、内戦を繰り返し経済を混乱させて売上を望めない状況に至ることは望ましくない。ならば高い理想を掲げることで人々の勤労意欲をくすぐり、経済を実質的に支配しながら、高福祉を名目に重税を課せば、よかろうという発想である。やがて人々が反旗を翻そうとしても、軍隊がないのであれば、簡単に収拾できるだろう。

 

私たちは、医療や教育、福祉の充実が良いことであると思い込まされてきた。しかし、医療費も教育費も介護費用も大きな負担としてのしかかっている。人々はよりよい医療、教育、介護を受けるために金儲けに走り、職を失うことに不安する。若い人たちは受験や就職を心配し、働き盛りの人々は子供のこと自分の老後のこと仕事のことを心配し、老人たちは健康の心配に忙しい。

 

本来のあり方

かつて人々は心の中に別の自我を持ち、エゴイズムを一歩離れて人生のこと、生物界のこと、環境のことを考える習慣を持っていた。そのおかげで、謙虚でいること、不安に打ち勝つことができた。

 

必要なものは、学校教育でもなければ、医療でも、経済発展でもなかった。ただ、この世がどういうものであるのかを知るための時間であった。

 

子供の訓練は、じっと座っていなさい、そしてそれを楽しんでごらん、という教えからはじめられたものである。子供たちは、嗅覚を敏感にして、なにも見るものがないところになにかを見たり、まったくの静寂のなかに、じっとなにかを聞き取ったりするように、と教えられた。じっと座っていることのできない子供は、ちゃんと成長していない子供だ。

ルーサー・スタンディング・ベアー首長(ラコタ族)一九三三年

『それでもあなたの道を行け』44ページ

 

 

 

 

 

 

 

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