猫なんて(親が)呼んでも来ない
動物はけっこう融通を利かせていきている
子猫は親猫が一生懸命呼んでいても聞きはしない。
好き勝手に遊んだり、居眠りを決め込んだりしている。
呼び声への反応がプログラムされているわけではないのだ。
オオカミたちは繁殖ペアとその兄弟や子供たちで群れをつくる。
しかい、血縁のない個体を群れに加えることもある。
群れの構成がプログラムされているわけではないのだ。
チンパンジーは血縁のあるオスが群れの中心になっている。
凶暴な群れであり、他の群れとは争いを繰り返す。
メスは大人になると群れを離れる。
しかし、飼育下では、大人になってから出会ったオスどおしでも
同じ群れとして過ごすことができる。
ゴリラは他のゴリラの子を引き取って世話することがあり、
若いオオカミとヒグマが共同で生活することがある。
このような行動を見れば、
感情と意識が行動を変えている点で、
他の動物とヒトには何も変わるところはない。
そうして見ると、
恋愛結婚や核家族という生き方が絶対的なものではないことも
見えてくる。
伝統的な暮らしのほうが人の基本的な欲求を満たすうえで
おそらくは優れていたのである。