フランス貴族とアボリジニの共通点
先日読み始めた『野生と文明 オーストラリア先住民の間で』に、
十代の少女を60代の老夫に嫁がせるという話が書いてありました。
しかも、夫にはほかに50代と30代の妻がいるというのです。
これは、さまざまな知恵を他の妻たちから学ぶことで、
厳しい生活を生き抜く知恵なのではないかと説明されています。
夫が亡くなれば、次は前夫よりも20歳くらい若い夫に仕え、
さらにこの夫もなくなれば自分と同じくらいの夫に仕えるというのです。
男性のほうはというと、初婚年齢は女性よりも遅く20代になってからですが、
一生のうちには、やはり複数の妻を持つといいます。
これと同じようなことをフランスの貴族が行っていたようです。
若い女性が老いた夫に嫁ぎ、そこで社交界でのあり方を学ぶ。
そして知恵を付けたところで再婚するというのです。
池田先生いわく、「男の人は、ちょっと若い女性の人が結婚すると、あまりうまくいかない。生涯2回結婚したほうがいい。フランスの女性の貴族は、若いうちに年配の男性と結婚し、男性はすぐに死ぬ。女性は歳をとるので、今度は若い男性と結婚する。年が離れていると、お互い寛容になれる。」
知恵を受け継いでいくこと。経験を積んでいくこと。子育て体験を分かち合えることなど、複数回結婚するというあり方にも、それなりの理由があるようです。また、そもそも私たちヒト科動物(オランウータン、ゴリラ、チンパンジー、ボノボ、ヒト)は、本来乱交であるそうです。