ゲゲゲの鬼太郎
2015年11月30日、水木しげるさんが93歳で亡くなられました。
水木さんと言えば、戦時中に厳しい軍隊の中にいながら、
現地の先住者たちと仲良くなって、妖怪の話などを聞いたという
肩ひじを張らない生き方で親近感を感じさせてくれる方でした。
私が以前住んでいたビルには、一階に食料品店があり、
水木さんのバナナ パトロールにならって、
お値打ちな蟹が並ぶのを期待しては、
蟹パトロールをしていたものでした。
子どもの頃、テレビでゲゲゲの鬼太郎を見ては、
「おばけにゃ学校も試験も何にもない」という
歌詞に憧れていました。
きっと水木さん作詞なのだろうと確認してみたら
やはりそうなのですね。
当時は全然知らなかったピグミーやエスキモーの暮らしを
知った今になってみると、この歌詞にあるような暮らしを
人類はずっと続けていたんだなと改めて考えるようになりました。
もちろん、人間には病気も死もありますから、
ゲゲゲの鬼太郎の歌詞のようにはいきません。
でも、鬼太郎たちのように学校も会社もなく、
耕すこともせずに生きている人たちの暮らしを見ると、
そこに死があふれているからといって
絶望しているわけでもないことがわかります。
生き生きとたくましく、自信を持って
暮らす様子が伝わってきます。
この歌詞を作った頃の水木さんは
この歌詞のような生き方が本当なんだよと
いいたかったのではないでしょうか。