毎日出てゐる青い空

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いいとこどりはできない

エサとして与えられた生のカブを
葉まで美味しそうに食べてしまうチンパンジー。
野生のセロリをボリボリと食べるゴリラ。
人は火を使い調味料を使い栽培を行うことで、
この親戚たちのように野生的な野菜を
おいしく食べることのできない存在になってしまった。

 

言葉を覚えたボノボであるカンジはしかし、
種を蒔いて収穫するといった長期的な展望は持てないという。
その代わり、将来を憂うこともない。

 

言葉を持ったホモサピエンスは
言葉を持たなかったネアンデルタール人たちとは違い
複雑な道具を作ることができるようになり、
狩猟の技術を向上させ、密閉性の高い家を作ることができるようになった。
しかし、言葉を知った私たちは
かえって世界を歪めて認識するようになった。

 

このように、人類史を振り返ると、
人類ならではの進歩の裏には
退歩も必ずあるという
「いいとこどりのできない」世界が広がっていた。

 

しかし、「いいとこどり」ができないことが問題なのではない。
本来の在り方から離れることが大きな問題なのである。
本来の在り方とは、生物としてのサイズや食性から
生物学的に想定される状態からのかい離である。
・定住
・寿命の延長
・多すぎる個体数
・電力の利用
・火の利用
・エンジンの利用
・近代医療
・農耕
・牧畜
・言語
・貯蔵
これらは、すべて本来の状態からの乖離であり、
生物としてしか存在し続けることにできない人類にとっては
生存を脅かすことになる要素なのである。

 

やはり、ピダハンたちと同じように
時間的にも空間的にも視野をせばめ、
運命を受け入れて動物にならって暮らすことが
人類にとって最も幸せな姿であり、
許容される唯一の姿であるようなのである。

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