ヒューマニズム
人のあふれる場所がある。
郊外型のショッピングモール
近代的な機器を備えたパチンコ店
マスコミが盛り上げるスポーツの試合
夜11時を過ぎた時間
駅のコンビニには若い女の子たちがいて
楽しく過ごした時間をにじませながら
今日の最後の買い物をすませる。
書店に並ぶ多くの本と同じように
数年もすればほとんど意味のなくなる
ことばかりに人びとの関心は向かっている。
他方では、古い生活を続けながら
人びとが大切に守ってきた世界が簡単に奪われていく。
森林破壊の真の原因は焼畑農業などではなく、
現代文明そのものだ。しかも、その本体は、
ヨーロッパだ。
自然破壊の現場には、むしろ反対運動側として姿を現すが、
直接手を下している人びとの背後にして甘い汁を吸うのは
結局はヨーロッパ人たちなのだ。
大脳を過信した人びとが作りあげた文明は
後進的であると見なした人々の暮らしを破壊することに
何のためらいもない。
ヨーロッパ文明が高らかに宣言した「人間性の回復」
だが、それこそがこの悲劇の根本原因だったのだ。