毎日出てゐる青い空

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昭和40~50年代の本が伝える「自然」な生き方

最近、三冊の本を読みました。

自然食の効力―あと40年健康を保つ』(1968年)

健康であるために―ゴム紐症候群について』(1977年初版)

『自然に聴く―生命を守る根元的智慧』(1982年)

 

これらの本が書かれた背景には、工業製品の普及に伴って、人々の

健康に影響が出始めたことがあるようです。

 

『自然食の効力』には、人工的産物を摂取することが人々を病気にし、

頭を悪くすることが指摘されています。果実と青物を中心し、しかも

火を通さずに食べることを大切にしながら、生の魚介類もうまく利用

する食生活が推奨されています。これによって、生殖能力も維持され

るとされています。

 

『ゴム紐症候群について』には、当時普及を始めたゴム紐の広まりに

連れて病気の回復が思わしくない患者が増えたことをきっかけに、医

者である著者がこの本を出版した経緯が記されています。あとがきを

読むだけで熱意が伝わってくる本です。

ゴム紐のみが原因であるかどうかは不明ですが、パンツのゴムで一日

中締め付けられた状態を人間が経験するのは初めてであることは事実

です。何よりも、患者の回復に異常を感じ始めたという当時の医者の

実体験は貴重であると思われます。

 

『自然に聴く』は県の農業改良普及員として近代農法の普及に努めな

がら疑問を抱き、自然を観察して自然から学ぶことで、雑草やバクテ

リアの力を借りる自然農法の普及へと切り替えた著者の没後にまとめ

られた遺稿集です。

本来の土には整腸作用があることや、肥料ではなくバクテリアの活動

する生きた土であることが重要であることなどが記されています。

なによりも、自然に聴くことの重要性が繰り返されています。 

 

これらの本を生んだのは、工業製品(ゴム紐、農薬、化学肥料)の普

及に伴って現れてきた健康被害です。健康被害が現れ始めた時代だか

らこそ、被害の原因がはっきりわかり、元の状態に戻ることで解決で

きるという考え方も共通しているようです。

しかも、元の状態を考えるときに、従来の価値観によるのではなく、

根本を考えるという点でも共通しているように見えます。

 

今は、少子化やガン死の増加が示しているように、当時と比べて、環

境は悪化し、健康被害も増大していますが、これらの本のように根本

を考えた本はむしろ少なくなっているように感じます。かえって、自

分 1 人の健康を追い求めたり、本来的ではない方法で解決しようとす

る動きが強いようです。

 

人は先に進むことで問題を解決できるのかできないのか、このような

本を読んで十分考えてみる必要がありそうです。

 

そのとき、狩猟採集生活は多くのヒントを与えてくれると私は考えて

います。

 

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