ベストセラーだった『森の猟人ピグミー』
コリーン・ターンブルについて、詳しく記されているページがありました。
このかたは、実際にピグミーと暮らしたこともあるそうで、別のページ(ピグミー : ジャックの談話室)には、そのときの様子も詳しく記されています。
コリン・ターンブルの『森の猟人ピグミー』は世界的ベストセラーになった本であり、ターンブルは同性愛者で晩年はチベットで僧侶となってエイズで亡くなったということです(失踪してピグミーの森に帰ったのではないかという私の期待は浦裏切られました)。
私は、ピダハンに出会ったことで、人の本来的なあり方を知るには狩猟採集生活を調べる必要があると考えるようになり、古い本を手に入れてみようとしたことからターンブルの『森の猟人ピグミー』を知りました。このような活動をしなかったなら、かつてベストセラーとなったこの貴重な本と出合うこともなかったでしょう。
一方では、いわゆる洗脳本としか思えない本がロングセラーとなって繰り返しマスコミで取り上げられるなかで、このような世界的ベストセラーとなったいまだに価値のある本が埋もれていくのは、実に残念なことです。
この本は、数種類の版で出版されたということもあり、比較的安く入手できる版もあるようです。
ベストセラーとなった当時の人びとにとって、ターンブルが共感と尊敬を込めて紹介したピグミーは、ヒッピー運動などと合わさって、西欧文明に疑問を抱き、新しい生き方を模索するためのきっかけとなったことでしょう。西欧文明がさらに影響力を増して、世界中で人のロボット化が進む中、この本とターンブルの価値は当時よりも今のほうが高まっているのではないかと私は思います。
余談ですが、「ジャックの談話室:ピグミー」には、次のような記述もあります。
私は日本人のルーツを遡れば森の民、ピグミーに行きつき、欧米人のルーツを遡れば、砂漠の遊牧民、トゥアレグに行きつくのではないかと考えています。
これまで読んだ本によると、アフリカに住む狩猟採集民ピグミーとブッシュマン(サン、グゥイ)はいずれも真っ黒な肌ではなく少し黄色人種的な肌の色をしているとありました。もしかすると、狩猟採集生活を続けることができる才能は、万人が備えているわけではないのかもしれません。