狩猟採集民の悲しみと幸せが人類の未来を描く
狩猟採集民は所有物が少なく
特定の人物に権力を集中させることはなく
大きな欲望を持つ代わりに
恵みだけをうけとり、
森の目覚めだけに気を配る。
この生活の中で、
高度な医療技術はなく
大きな介護負担を負うことはできず
新生児の死亡率は高く
お産の際に命を落とす危険性も高く、
寿命も短い。
しかし、なすすべのない暮らしは、
お金のないことに嘆いたり
押し付けられた負担に心身を病むこともない。
将来を憂えて今を犠牲にすることは無意味である。
遊びながら学び
毎日の大半を寝てすごす猫のように
人も遊びながら学び
長い夜を語り、歌い、踊る。
人類史の99%を占める狩猟採集生活は、
文明の生み出した価値観を否定していく。
そして、文明とは、特定の人物に権力を集中させるあり方であり、
長くても数万年という短期間で破綻する存在であることを
明らかにしていく。
人は文明の中ではなく、
森を初めとする大自然の中でだけ生きられる存在であり、
種を存続できる存在であるはずなのだ。