江戸時代の戸籍、宗門人別帳から
福生市の資料に江戸時代の宗門人別帳をまとめた統計が記載されています。
http://www.lib.fussa.tokyo.jp/digital/digital_data/connoisseur-history/pdf/07/01/0023.pdf
この資料の526ページに死亡年齢のグラフがあります。
江戸時代は、乳幼児死亡率も50代までの死亡率も高いながら、
人生50年と決め付けるほど短命でもなかったようです。
全体の平均死亡年齢は、男性50.24歳、女性48.96歳だそうですが、
若年死亡の影響を除くために、50歳以上で死亡した者でみると、
死亡時の平均年齢は男性が72.3歳、女性が72.18歳だとあります。
もちろん現在のほうがずっと長命ですが、
現在の健康寿命といわれる75歳と上記を比べれば大差ありません。
つまり、医療が進歩して寿命が延びたように見えても、
健康でいられる期間は江戸時代とさほど変わっていないのではないかと、
思えるのです。
江戸時代の一生と現在の一生を比べると、
現在は、子育ての負担と老人介護の負担が増えて
しんどい人生になっただけだと断言したくなります。
サン、ピダハン、江戸時代の日本人は
子育ての負担をできるだけ軽くし、
老後を考える代わりに日々の生活自体を楽しみ、
衰えを感じたならば
唯物的に運命を受け入れていくというありかたをしています。
このようなあり方を許す社会が本当に進んだ社会なのではないかと
私には思えます。
年金、健康保険、住宅ローン、学費、消費税、光熱費などの支払いに追われる。
デスクワークや単純作業など人間の生理とそぐわない労働を強いられる。
機械に生かされてベッドで長い老後を過ごす。
こんな、社会は決してまともな社会ではないはずです。
きっと、このような社会を作ることで利益を得る勢力が存在しており、
人々に気づかれないまま、社会を変えていっているのでしょう。