動的平衡と社長のいない組織体
昨日読んだばかりの本『センス・オブ・ワンダーを探して』からですが、福岡伸一さんの「動的平衡」という概念は、随分応用の効く概念なのではないかと、だんだん思えてきました。
動的平衡を考えるなら、無理に症状を抑えてもかえって病状を悪化させてしまうため、症状を抑えるよりも、全体としての対応を考えることになります。
たとえば、暑さ寒さをしのぐために、暖房や冷房をガンガン使えば、地球環境を壊し、かえって過酷な暑さ寒さがやってきます。
だとすれば、暑いときは寝てやり過ごし、寒いときにはコタツに入っているほうがずっとましなのかもしれません。
抗ヒスタミン剤の使いすぎにならないうちに、薬の使い方を再確認すべきなのではないかと思えます。
同書で、福岡さんは、「私たちの体は、社長さんがいなくて、みんな平社員なのに会社がうまくいくような仕組みになっているんですよね。」とも述べています。
私は、これがこの先の人間のあり方を決めるヒントとなる言葉のように思います。
つまり、古代文明ができる以前のような少人数による集団をそれぞれの地域に作り、周囲のわずかな集団とのみやりとりしながら、地域の環境維持に専念して生活することにより、地球全体の健全性が保たれるという状況があり得るのではないかと思うのです。
そしてそのようなあり方こそが、動的平衡の点で、人間にとって本来の生き方であるような気がします。
今後、またいろいろな書籍にあたって思索を深めたいと思います。